世界の薄毛傾向から考える対策

世界の薄毛

男性の薄毛率は、国や民族の違いによってある程度の傾向が見られます。株式会社アデランスが2009年に「世界の成人男性薄毛率」というものを発表していますので、こちらを元に日本人男性の世界的な立ち位置や薄毛対策について考えてみたいと思います。


世界の成人男性薄毛率ランキング:日本は14位(26.78%)

こちらでご紹介するものは、株式会社アデランスが2009年に発表した「世界の成人男性薄毛率」の調査結果です。

薄毛判定

生え際の後退が明らかに始まっている。または頭頂部やつむじ周辺の毛量が明らかに減少していると肉眼で判定できる状態。

調査方法

2組に分かれた4人の調査員が肉眼で通行人を観測。これを3カ所で行い、各地点での2組の結果から薄毛率を算出。

順位 国(調査地) 薄毛率 地域
1位 チェコ(プラハ) 42.79 % 欧州
2位 スペイン(マドリード) 42.60 % 欧州
3位 ドイツ(フランクフルト) 41.24 % 欧州
4位 フランス(パリ) 39.24 % 欧州
5位 イギリス(ロンドン) 39.23 % 欧州
6位 アメリカ(ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス) 39.04 % 北中米
7位 イタリア(ミラノ) 39.01 % 欧州
8位 ポーランド(ワルシャワ) 38.84 % 欧州
9位 オランダ(アムステルダム) 37.93 % 欧州
10位 カナダ(モントリオール) 37.42 % 北中米
11位 ロシア(モスクワ) 33.29 % 欧州
12位 オーストラリア(シドニー) 30.39 % 豪州
13位 メキシコ(メキシコシティ) 28.28 % 北中米
14位 日本(東京) 26.78 % アジア
15位 中国(香港) 24.68 % アジア
16位 シンガポール(シンガポール) 24.06 % アジア
17位 タイ(バンコク) 23.53 % アジア
18位 台湾(台北) 22.91 % アジア
19位 マレーシア(クアランプール) 22.76 % アジア
20位 韓国(ソウル) 22.41 % アジア
21位 中国(上海) 19.04 % アジア

出典:株式会社アデランス「世界の成人男性薄毛率」調査結果より 2009年発表(調査期間:1998~2008年)


特徴1.薄毛率は遺伝的に西洋人が高く、東洋人は少し低い

こちらのグラフを見ると、直ぐに気付かされるのが「西高東低」という薄毛配置です。相対的に考えると、西洋人は東洋人と比べて薄毛率が若干高く、東洋人は幾分薄毛を発症しにくい傾向があるようです。わかりやすく平準化して考えると、西洋人で3人に1人強、東洋人で4人に1人弱が薄毛だと判断できます。これはつまるところ、薄毛は人種的、かつ遺伝的傾向によってもたらされることを意味します。何もせずに放置してれば、男性に生まれてきた以上少なくても4人に1人程度の確率で薄毛になってしまう傾向があるということです。

グラフから読み取れる事実

  • 人口に占める薄毛の割合は人種的にある程度決まっている
  • 薄毛の発症は遺伝的傾向に支配されやすいものがある

特徴2.薄毛率をアジアの中だけで見ると日本がトップ!

アジアの中での薄毛率を見ると、不名誉にも日本人が最も薄毛率が高いという結果になっています。続いて香港、シンガポールという結果になっていますので、「経済的な発展」と「薄毛発症傾向」は何かしらの因果関係があるのかもしれません。

漠然とした仮説では、経済成長に伴う「就労ストレス」、ファストフード等を手にしやすくなることに因る「栄養の偏り」、就労時間が多くなることから来る「運動不足」や「睡眠不足」などが考えられるかもしれません。これまでも散々言われてきたことではありますが、薄毛は第一に「遺伝的傾向」、そして第二に「生活習慣」という要因がこの薄毛調査の結果からも導き出せそうです。

グラフから想像される内容

男性の薄毛傾向は遺伝以外にも「その国の経済状況」によって助長される可能性がある

「就労ストレス」「栄養の偏り」「運動不足」「睡眠不足」などの生活習慣が背景にありそうである


「遺伝傾向」と「生活習慣」にどう向かい合うべきか?

遺伝傾向と生活習慣

ご紹介した調査結果からも言えることですが、医学的にも「薄毛症状」は遺伝的な傾向に支配されやすいことがわかっています。たとえば男性型脱毛症(AGA)であれば、男性ホルモン(テストステロン)が遺伝的に還元酵素「5αリアクターゼ(Ⅱ型)」と結びつきやすい傾向を帯びているかどうかで薄毛症状の現れ方が異なってきます。


男性型脱毛症(AGA)の発症メカニズム(遺伝的な影響)

  • ① 頭頂部や前頭部の毛根付近に存在する還元酵素「5αリアクターゼ(Ⅱ型)」が善玉の男性ホルモン(テストステロン)と結びつきやすい傾向を帯びている
  • ② テストステロンが「5αリアクターゼ(Ⅱ型)」と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)が生成される
  • ③ ジヒドロテストステロン(DHT)が毛髪1本1本のヘアサイクルの「成長期」を短くしてしまう
  • ④ 毛髪1本1本が十分に育たないまま成長を終えるため、抜け毛が増えて薄毛症状に至る

テストステロンが、5αリアクターゼ(Ⅱ型)と呼ばれる還元酵素と結びついてしまうと、毛髪のヘアサイクルを乱してしまう「ジヒドロテストステロン(DHT)」が生成されてしまい、1本1本の毛髪があまり成長できないまま抜け落ちる時期を迎えてしまいます。

この結果抜け毛量が増えてしまい、じわじわと薄毛が進行していくということになります。遺伝的な傾向ですので、年齢と共にDHTが生成されやすくなる傾向を帯びている場合、放置していても薄毛は改善されません。医学的に有効なお薬での対処をおススメします。


「フィナステリド」の服用でDHTの生成を抑制しよう!

臨床試験などで医学的にも有効性が確認されているお薬を使用すれば、毛髪の成長に悪影響を及ぼすDHTの生成を抑制できます。男性型脱毛症(AGA)で使用されるお薬はいくつかの種類がございますが、DHTの生成を抑えるものとしては「フィナステリド」が効果的です。

フィナステリドの服用により、DHTの生成が抑えられて1本1本の毛根のヘアサイクルが本来あるべき状態に戻っていきます。この影響によって抜け毛の量が減っていきますので、薄毛症状の緩和や改善が期待できます。「いつの間にか抜け毛の本数が極端に多くなっていた…」とお感じの患者さまは、ぜひ当院までご相談ください。


「ミノキシジル」の服用で頭皮環境を改善しよう!

ミノキシジルというお薬は「血管拡張作用」をベースとしたもので、髪1本1本が毛の成長に必要な栄養素を受け取りやすくする効果があります。毛髪の成長は毛細血管からの栄養供給によって成り立ちますので、頭皮環境で血流が改善すれば、毛根への栄養供給もスムーズになっていきます。

仮にDHTの影響を受けている場合は、これ単体では抜け毛量の抑制は幾分限定的になってしまいます。このため、「フィナステリド」でDHTを抑制した上で「ミノキシジル」を服用していけばしっかりとした発毛効果を狙いやすくなります。2つのお薬を併せて服用するような治療法が効果的であることから、当院では「フィナステリド」と「ミノキシジル」のダブル服用をおススメしています。


専門家目線で「生活習慣の改善」もサポート

専門家

当コラムでご紹介したように、薄毛は第一義的には遺伝傾向ですが、その周辺には生活習慣の影響も見え隠れします。遺伝傾向についてはお薬の力で医学的に対処し、生活習慣については当院の専門医のアドバイスをお受けください。

生活習慣で意識していきたいこと

  • ストレスを貯め込まない生活
  • 栄養の偏りを抑えた食生活
  • 血行や代謝機能を整えられるような軽い運動習慣
  • 自律神経の働きを整え、成長ホルモンのプラス影響をしっかり取り込める睡眠習慣

たとえば、しっかりとした深い睡眠を得るためには入眠前の1時間くらい前からスマホ、パソコン、テレビなどの強い光をシャットアウトすることが大切です。職種として事務職に従事する場合には、座っていることが多くなるため、積極的にウォーキング習慣を作るなどして血行や代謝の改善を試みることも大切です。また、喫煙習慣を持っている場合には、喫煙本数を減らすことで髪の発育にとってのマイナス影響を回避しやすくなっていきます。

言われれば納得できることも、習慣づいてしまっていることを自己コントロールだけで調整するのはやはり難しいです。専門医のアドバイスを受けながらお薬を服用しつつ、髪にとっても健康的な生活を模索していただければと思います。随時「無料カウンセリング」を実施していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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