豆乳は美容のほか、薄毛にも効くって本当? 飲むときの注意点は?

豆乳

豆乳は美肌効果だけでなく、薄毛を誘発する頭皮環境にも効くという噂があります。これは豆乳に含まれている「大豆イソフラボン」の作用に着目したものと考えられます。豆乳に含まれている各栄養素をご紹介しながら、豆乳や大豆イソフラボンが持つ効能について考えてみたいと思います。


豆乳は髪にとって良い成分が豊富!

大豆イソフラボン

豆乳は、美容だけでなく薄毛対策にも良いと言われています。これは、豆乳には多くの「大豆イソフラボン」が含まれているためです。実際のところ、豆乳には「大豆イソフラボン」以外にも様々な栄養素が含まれていますので、それぞれの作用について少し掘り下げて確認してみましょう。


豆乳に含まれている栄養素

豆乳に含まれている主要な成分を一つひとつ取り上げてご紹介いたします。


大豆イソフラボン

まず毛髪にフォーカスしてお伝えすると、大豆イソフラボンには男性型脱毛症(AGA)と関連性の高い「5αリダクターゼ(還元酵素)」の働きを抑制する作用があると言われています。5αリダクターゼが活発に働けば、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンが発生しやすくなってしまい、髪のヘアサイクルが悪影響を受けてしまいます。

「大豆イソフラボン」には、このような毛髪の弱体化リスクを前段階で緩和する作用があるため、抜け毛や薄毛の予防に良いというわけです。また、大豆イソフラボンは女性ホルモンの一つ「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似た化学構造をしていることがわかっており、植物性のエストロゲン「フィトエストロゲン」と言われることもあります。

エストロゲン自体には以下のような作用があり、大豆イソフラボンを食生活の中で摂り込めば、エストロゲンの受容体と反応して補佐的に同様の効果が期待できます。

エストロゲンの働き

  • お肌の新陳代謝を促進し、肌を若々しく保つ
  • 髪にツヤやハリをもたらす
  • 血中の悪玉コレステロールを抑えて動脈硬化が起こりにくくする
  • 自律神経の働きを安定させる
  • 骨からカルシウムが溶出してしまうのを防ぎ、骨を丈夫にする
  • 子宮内膜を厚くして受精卵の着床に備える
  • 乳房の発育や皮下脂肪の取り込みを促し、女性らしい丸みのある体を作る
  • 生理をもたらす

上記のように、加齢によって女性ホルモンの分泌量が低下してきた更年期以降の女性には非常に有益なものと言えるでしょう。男性が豆乳をたくさん摂取したとしても、もちろん月経にまつわるような作用が働くことはありませんが、摂り過ぎた場合には「体型が丸みを帯びる可能性がある」という点は理解しておきましょう。


大豆タンパク質

女性はエストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスによって女性らしさが維持されていますので、髪のボリューム低下や抜け毛を抑制するためには両女性ホルモンを適切に維持しておくことが重要です。お肌や髪にとって良いのは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に他なりませんが、一方だけを増やそうとしてもうまくいくものではありませんので、全体的に生活リズムを整えることが大切になります。

逆に言うと、若くても睡眠時間が不規則だったり、極端なダイエットで栄養補給が偏っていると、抜け毛が増えたり分け目部分で地肌が透けて見えてしまうということも起こります。過度なストレスも髪には良くない影響を与えますので、ストレスを解消できるような趣味を持っておくことも大切だと言えるでしょう。


レシチン

レシチンには、油分と水分を合わせるという「乳化作用」があります。このため、不要な血中コレステロール(LDLコレステロール)を溶かしやすく、動脈硬化の予防が期待できます。血液の流れがスムーズになるということは、末端である毛細血管にも酸素や栄養素が行き渡りやすくなりますので、頭皮環境でも毛根への栄養供給が促されることを意味します。

また、レシチンは神経伝達物質を生成することにも貢献するため、脳の情報伝達をスムーズにしてくれます。記憶力や集中力へのプラス効果が期待されますので、脳を若々しく維持することにも貢献します。


大豆サポニン

大豆サポニンには抗酸化作用があり、活性酸素による脂肪の酸化を防いでくれます。これは血中のコレステロールが悪玉コレステロールに変わってしまうことを防ぐことに貢献しますので、血液をサラサラの状態に保ちやすくしてくれます。

血流の良さは、レシチンと同様に「髪への栄養供給」に貢献しますので、育毛をサポートするものだと考えられます。また、大豆サポニンには「やせホルモン」と呼ばれるアディポネクチンの分泌を促す作用があります。アディポネクチンは脂肪燃焼を促進するため、よりスマートな体型が維持されやすくなります。


オリゴ糖

オリゴ糖は、腸内でビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌のエネルギーになります。オリゴ糖を多く含む豆乳を飲んでいると腸内環境が整いやすく、便通が改善したり便臭の低減効果などが期待できます。これは吹き出物などを抑えるという意味で間接的な美肌効果となります。


リノール酸

リノール酸は不飽和脂肪酸の一つで、血中のコレステロール低下に寄与します。ここでも「血流の改善→頭皮の栄養供給を促進」という髪へのプラス作用が確認できます。


ビタミンB群

ビタミンB群は、各ビタミンの中でも特に髪に良い成分だと言われています。これは毛母細胞を活性化させたり、ケラチンの合成をサポートするなどの働きがあるからです。また、ビタミンB群は「疲労回復のビタミン」と言われるように疲れを解消してストレスを緩和させることにも貢献します。ストレスが髪にとって良くないことはご存知だと思いますので、この意味においても豆乳は髪に良いということになります。


ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があります。先にご紹介した「大豆サポニン」と同じような作用があるため、動脈硬化を予防して血液をサラサラに保つことに貢献します。


豆乳の3分類(種類)

豆乳には3つの種類があり、「日本農林規格」によって厳密に区分けされています(参照:豆乳類の日本農林規格)。スーパーに言ってもどの豆乳が良いのがよくわからない…ということも起こり得ますので、予め各豆乳の成分比などを核にしておきましょう。


無調整豆乳

大豆をすりつぶして水を加え、それを煮詰めることでできあがるのが豆乳です。このため、「無調整豆乳」の場合には水以外の余分な成分が含まれていないということになります。言葉からもわかるように「純粋な豆乳」という位置づけです。

「無調整豆乳」の成分定義

  • 大豆固形分が8%以上のもの
  • 大豆タンパク質換算値が3.8%以上のもの

調整豆乳

調整豆乳の場合には、水以外にも砂糖や塩、油分や香料などが加えられています。無調整豆乳よりも幾分飲みやすく整えられていますが、豆乳の純粋な成分比についてはやはり低くなっています。

「調整豆乳」の成分定義

  • 大豆固形分が6%以上のもの
  • 大豆タンパク質換算値が3.0%以上のもの

豆乳飲料

豆乳飲料は、調整豆乳に対して更に果汁やコーヒーなどがブレンドされたものになります。「果汁入り」の場合と「その他のもの」に分けられており、果汁入りのものほど濃度が低い分類になっています。豆乳の風味や栄養価をより手軽に味わえるものという位置づけであり、「純粋な豆乳効果」を狙うには少し弱い側面があります。

「その他のもの」がブレンドされている豆乳飲料

  • 大豆固形分が4%以上のもの
  • 大豆タンパク質換算値が1.8%以上のもの

「果汁」がブレンドされている豆乳飲料

  • 大豆固形分が2%以上のもの
  • 大豆タンパク質換算値が0.9%以上のもの

※「高タンパク質でありながら低脂質であること」も豆乳の大きな特徴になっています。このため、美容効果だけでなく減量面にも期待している場合は、糖質を含んでいない「無調整豆乳」のほうが良いということになってきます。目的や飲みやすさなどを考えて、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。


安全な摂取量の上限目安を守ることも大切!

「大豆イソフラボン」に関しては、安全な一日摂取目安量の上限値が食品安全委員会によって定められています。日本人においては、上限目安が70〜75mg/日と設定されていますので、これを意識しつつ豆乳を飲むようにすると良いでしょう。参考として、200mlの豆乳に含まれている大豆イソフラボンの目安量をご紹介します。傾向として、種類ごとに以下のような違いがあります。

「豆乳200ml」に含まれている大豆イソフラボン量の目安

  • 無調整豆乳…約60mg
  • 調整豆乳…約40mg
  • 豆乳飲料…約30mg

※各製品によって数値は異なりますので、詳しくは成分表などをご確認ください。

毎日、「無調整豆乳」を飲むという場合には上限値に近くなりますので、豆腐や納豆などの摂取については考えておいた方が良いかもしれません。逆に日々豆乳飲料を飲むくらいであれば、食生活で更なる大豆イソフラボンを摂取したとしてもそれほど気にする必要もないと言えるでしょう(製品によって数値が大きく異なる場合もありますので、あくまでも参考程度でお考えください)。


男性が豆乳を飲みすぎるとどうなる…?

「エストロゲンの働き」のところでも少しご紹介しましたが、男性が豆乳や大豆イソフラボンを摂り過ぎた場合には、次のような点に注意が必要だという報告があります。

豆乳を飲み過ぎた場合の注意事項

  • 体型の女性化
  • 性欲の減退
  • 生殖機能の低下

ここで「性欲の減退」や「生殖機能の低下」という可能性が取りざたされるのは、女性ホルモンのような働きをする「大豆イソフラボン」が男性ホルモンの活動を抑制する可能性があると考えられているためです。「体内に女性ホルモンのエストロゲンに似た大豆イソフラボンが増えると、性欲の源である男性ホルモンの勢いが抑制されるのでは?」という理屈です。

厳密な臨床試験での報告などは確認できませんが、一部メディアなどでこのような影響を口にする主婦が登場して話題になっています。冷蔵庫に豆乳を置いておくと夫がゴクゴクと飲むようになり、夫の性欲が少し緩和していったというものです。真否のほどはわかりませんが、一つの可能性として「摂取しすぎた場合にはそのような影響があるのかも?」と考えておくと良いかもしれません。


明確な薄毛には「AGA治療薬」で対応を!

治療薬

当コラムでは、豆乳に含まれている成分などをご紹介しながら美容面や薄毛対策としての有効性について考えてみました。豆乳には女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれていますので、ご紹介したように薄毛化を抑制したり、血液サラサラ成分によって髪への栄養供給が整いやすくなります。


豆乳に含まれる豊富な栄養素もAGA治療薬には遥かに及ばない…

豆乳には髪に良い栄養素が多く含まれていますが、その影響力については「AGA治療薬」のような直接的なお薬と比べた場合あまりにも微弱なのが現実です。薄毛症状が顕著な場合、内部的な薄毛メカニズムを強く遮断するプロセスが必要になってきますので、当院のようなクリニック(医療機関)で処方薬をお求めになる方が近道になります。随時「無料カウンセリング」を実施していますので、ご興味をお持ちの際はぜひお気軽にご相談ください。

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