AGA治療薬にはいくつかの種類があり、最近では個人輸入をしている業者から通販という形で入手できるケースもあります。安価で入手できることもあり、特に忙しいビジネスマンにとっては便利に映りますが、実はそこには重大なリスクが隠されています。
各お薬が持っている副作用リスクや注意事項をご紹介し、医療機関(クリニック)こそが備えているセーフティーネットについてご紹介いたします。
主要な「AGA治療薬」の特徴と副作用について
各AGA治療薬にはそれぞれ異なった効能があり、「身体機能にどのように作用するのか」という点で違いがございます。
この関係で、この患者さまのこの症状にはこのお薬がベターであるとか、この薬とこの薬は全く別のアプローチになっているからダブル服用することも可能といった専門的判断などがございます。
また、各お薬の効果の現れ方と隣接するところで、そのお薬特有の「副作用リスク」もあります。このようなことから、お薬の服用に際しては「事前に専門医の話にしっかりと耳を傾けること」が大切になってきます。
プロペシア(成分名:フィナステリド)の効能
プロペシアは、頭皮上のヘアサイクルに乱れをもたらす「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産出を抑制する働きがあります。
薄毛お悩みをお持ちの男性であれば、「DHT」という言葉はどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが、これは元々善玉の男性ホルモン「テストステロン」が「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素と結合することで変化してしまったものです。
プロペシアを服用いただくと、このお薬に含まれているフィナステリドという成分が「テストステロン」と「5αリダクターゼ」の結合を抑制してくれますので、結果的に「DHT」が産出されにくくなり、ヘアサイクルの乱れも緩和していきます。
毛根奥に存在する「5αリダクターゼ(還元酵素)」の量については、元々遺伝傾向として受け継がれているものですので、多く受け継がれて生まれてきた場合には相対的に「DHT」が生成されやすくなってしまいます。
プロペシアというお薬は、このような薄毛化にまつわる遺伝的要因を緩和し、薄毛化の歩みを防衛できるお薬だと言えます。
ミノキシジルの効能
ミノキシジルは、「血管拡張作用」をベースに血流を改善させ、頭皮上の毛根への栄養供給をサポートするお薬です(元々は高血圧に対する「降圧剤」として開発された経緯があります)。
薄毛症状に効果がある理由としては、髪の毛1本1本は頭皮上の毛細血管からの栄養供給を受けて発育しているという点が挙げられます。
どなたでも30代、40代と年齢を重ねるごとに代謝や循環機能は衰えていきますので、必然的に頭皮上でも栄養供給ルート(毛細血管)が細くなっていきます。運動する機会も減ることから、若いころと比べて毛根に必要な栄養が行き届きにくくなってくるのです。
ミノキシジルはこのような「血流の改善」を狙ったお薬になりますので、一部市販されている発毛剤などにも薬用成分として配合されているケースがあります(ただし、配合比はごくわずかです)。
注意点としては、こちらは「プロペシア」のようにDHTの発生を抑制する作用はございません。このため、体質上の問題としてDHTが多く産出されてしまう患者さまの場合には、「ミノキシジル」のみではAGAを抑え込むのは厳しいという実情があります。
「ミノキシジル」と「プロペシア」は全く異なったアプローチをするお薬になりますので、AGA患者さまにおかれましては併せて服用いただくスタイルがおススメできます。
副作用
「血管拡張作用」によって血流を改善するお薬であることから、立ち眩みやめまい、動悸や息切れ、むくみなどの副作用が一部報告されています。
また、初期脱毛という影響が生じるケースもあります。このほか発毛剤のように頭皮に直接塗布するケースでは、かゆみやかぶれなどが出ることもあります。
ザガーロ(成分名:デュタステリド)の効能
ザガーロというお薬は、元々「前立腺肥大症」を抑えるものとして開発されたものです。薄毛に対するお薬の効能としては、「プロペシア」と同等のもので「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成にまつわる「テストステロン」と「5αリダクターゼ」の結合を抑制してくれます。
作用の強さということで言うと、「ザガーロ(成分名:デュタステリド)」の方が「プロペシア(成分名:フィナステリド)」よりも少し強力だとされます。その理由としては、「5αリダクターゼ(還元酵素)」への影響レベルが少し異なるためです。
ザガーロは「Ⅰ型5αリダクターゼ」と「Ⅱ型5αリダクターゼ」の両方に作用
少し専門的な話になりますが、毛乳頭細胞に存在する「5αリダクターゼ」という還元酵素にはⅠ型とⅡ型があります。Ⅰ型は毛髪だけでなく体毛も含めて全身の毛根奥の毛乳頭細胞に存在しています。
これに対して、Ⅱ型は前頭部や頭頂部に多く存在するという特徴があり、この「Ⅱ型5αリダクターゼ」が「テストステロン」と結びつくことで「ジヒドロテストステロン(DHT)」が産出されるという構図になっています。
プロペシアが「Ⅱ型5αリダクターゼ」に対して作用するのに対して、こちらのザガーロというお薬は「Ⅰ型5αリダクターゼ」にも「Ⅱ型5αリダクターゼ」にも作用します。
DHTの産出に大きく関与するのは、「Ⅱ型5αリダクターゼ」なのですが、「Ⅰ型5αリダクターゼ」も脱毛部位の頭皮の毛包の中で確認されるものなので、プロペシアではあまり思わしい結果が得られなかった場合に「ザガーロ」で効果が実感できる可能性があります。
このようなことから、ザガーロはプロペシアの代替薬のような形で使用されるケースが多くなっています。
AGA治療薬を手に取る際は、通販ではなくクリニックへ!
近年、AGA治療薬を個人輸入してWeb上で販売するという業者がございますが、AGA治療薬を使用したいという場合には必ず正式な医療機関(クリニック)を訪れるようにしてください。
当コラムでもご紹介したように、各AGA治療薬にはそのお薬固有の「副作用」などがあり、安全だと判断できる容量基準などもございます。
製造元が不明瞭なお薬は危険
インターネット上で取引されるお薬に関しては、かなり古いものが含まれていたり成分量などが不明瞭なものもございます。正規品のように判断して服用を開始すると副作用リスクが上がってしまったり、予想外の影響が出てしまうことも考えられます。
もしも副作用が出ても、クリニックなら安心
医師の判断の下でAGA治療薬を服用し始めても、お薬ですので患者さまの体質などによって副作用が出てしまうこともあります。
このような際も、クリニックで治療を受けていればそのまま担当医に相談することで適切な処置が受けられたり、早期にお薬を変更して別のアプローチを探ることも可能です。
医師の診断により安全な処方
お薬の処方に際しては、医師が患者さまのその時々の状態を正確に把握し、症状に合ったお薬を提供することが安全で効果の高い治療へとつながっていきます。
通販でのAGA治療薬の入手ではこのような対応は不可能ですし、服用中も常に大きな不安が付きまとうはずです。
当院は数多くの実績を有する薄毛症状専門の医療機関(クリニック)ですので、AGAを含め薄毛症状を緩和改善したいという場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
「無料カウンセリング」にてお待ちしております。