女性の髪のお悩みの中には、「ボリュームが減ってきた…」というものが多くあると思います。このボリューム低下、「女性男性型脱毛症(FAGA)」や「びまん性脱毛症」の可能性が疑われますが、皮脂が増えすぎた結果ベタついてペチャンコになってしまう場合や、逆に頭皮の乾燥から抜け毛が増えてボリューム低下が目立っているようなこともあります。
頭皮の皮脂分泌を正常化できれば、髪に適度に脂分が行き渡り、ボリュームも含めて艶やかなヘアスタイルを演出しやすくなります。頭皮の皮脂量のお悩み解消法と、それにまつわる女性の薄毛症状についてご紹介します。
頭皮のベタツキも頭皮の乾燥も、髪をペチャンコにしてしまう!?
少し意外に思われるかもしれませんが、「頭皮のベタツキ」も「頭皮の乾燥」も…どちらも女性の髪にボリューム低下をもたらしてしまう可能性があります。これは、頭皮環境において「皮脂量は多すぎても少なすぎても良くないこと」を表しています。皮脂が多いとどうなるのか、あるいは皮脂が足りないとどのような影響があるのか、それぞれ見ていきましょう。
皮脂の過剰分泌…髪のベタツキ→見た目のボリューム低下
頭皮において皮脂が過剰分泌されていると、特にトップの毛髪に不必要な脂分が付着してしまう可能性があります。女性の場合、洗髪を適切に行なっているのに髪がベタつくほど皮脂が出るケースは稀ですが、それでも皮脂が多い場合にはトップの立ち上がりを抑制してしまうという影響が生じます。また、皮脂が多すぎる場合には余分な皮脂が「毛穴の詰まり」を引き起こしてしまう可能性もございます。
これは毛髪の成長を妨げる要因になるため、髪が痩せ細ってしまうという悪影響を与えるケースもあります。毛髪1本1本のハリやコシを弱めることを意味しますので、ますます「ペチャンコ髪」が強調されやすくなってしまいます。髪のボリューム低下が気になっている場合、もしかしたら皮脂分の過剰分泌が影響しているかもしれません。次項でご紹介する「皮脂分泌の正常化対策」をご確認ください。
皮脂分不足(頭皮の乾燥)…血流の悪化→髪の栄養不足→ボリューム低下
頭皮の乾燥が髪のボリューム低下をもたらす理由は、毛髪が成長するための栄養ルート(毛細血管)を狭めてしまう可能性があるためです。カラカラに乾いたひび割れた大地をイメージしていただければわかりますが、そのような土壌に植物が根を張るのはやはり困難ですよね。頭皮の上に育つ髪にも同じことが言えます。頭皮環境が乾燥していると、その根っこ部分に当たる「毛根」に栄養素の供給が行なわれにくくなります。
頭皮の毛細血管にしっかりと血液が流れていないと、栄養素という名の「物流の遮断」がもたらされてしまい、その上に育つ毛髪が抜け落ちやすくなってしまうのです。頭皮の乾燥や血行不良は「薄毛化」を促す大きな要因になりますので、女性で髪のボリューム低下が気になっている場合は、次にご紹介する「皮脂分泌の正常化対策」を実践してみてください。
皮脂分泌の正常化対策 3つのポイント
皮脂の分泌は、髪の成長と直接的に関わるものではありませんが、上述のように間接的な影響をもたらします。女性が気にすることの多い「髪のボリューム低下」に少なからず関与してきますので、皮脂分泌を整えるための3つのアイデアをご紹介したいと思います。
1.洗髪習慣を整える(朝シャンや1日に複数回のシャンプーは危険!?)
髪は女性にとって命とも言われますので、皆さん自分なりの洗髪習慣をお持ちだと思います。しかしながら、「今までそうしてきたから…」という理由だけで誤った習慣が定着してしまっている場合も考えられます。たとえば、出勤前のヘアセットのために朝シャンをし、帰宅して入浴時にもう一度洗髪するといった「1日複数回のシャンプー習慣」です。一見、汚れが取れる洗髪は頭皮環境にとって良いことだと考えられますが、シャンプー剤に含まれる界面活性剤の洗浄力はかなり強力なものになっています。
1日に1度洗髪すれば十分に清潔さをキープできるものとなっており、複数回シャンプーをしてしまうと皮脂を必要以上に奪い去ってしまうケースが多いです。頭皮における皮脂は、皮脂膜のような形で「外部刺激に対するバリア機能」という役割も担っています。必要以上に皮脂が取り去られると頭皮が乾燥し、抵抗力の弱い無防備な状態になりますので注意を要します。
また、洗髪のし過ぎは頭皮の乾燥をもたらし、これを補おうという働きが生じて「皮脂の過剰分泌」が起こるケースもあります。常に「頭皮の乾燥」と「皮脂の過剰分泌」がせめぎ合っているような状態になり、髪が成長しにくい土壌となってしまいます。髪のセットのために朝シャンは欠かせないという場合には、シャンプー剤を使わない「湯シャン」にするか、「ヘアセット用のスタイリング剤」などで置き換えるようにしてはいかがでしょうか。
シャンプーや髪の乾かし方にも注意しよう
シャンプーについても、幼いころからの習慣が定着している場合も考えられます。一番良くあるのは、シャンプー剤がしっかりと洗い流せていないケースです。以下にシャンプーをする際のポイントを簡単にまとめておきます。
洗髪の際に気を付けたいポイント
- シャンプー前に頭皮をぬるま湯に浸し、やさしく揉みこんで皮脂が落ちやすい状態を作る
- シャンプーは手元で泡立ててから髪や頭皮につける
- 指で揉みこむようにマッサージしながら頭皮を洗う
- シャンプー剤が頭皮に残ってしまわないようにしっかりと洗い流す
- リンスやコンディショナーについては髪をコーティングする作用があるが、頭皮に残してよい成分ではないので、こちらも使用後はしっかりと洗い流すように注意する
また、洗髪後は自然乾燥ではなくドライヤーなどで髪を乾かすようにしてください。髪が濡れた状態というのは、キューティクルが開いていることを意味し、水分が抜け出しやすい状態となっています。自然乾燥を選ぶと、髪がパサつきやすくなり朝のセットもやりにくくなってしまいます。なお、ドライヤーを当てるときには、毛先の髪からではなく頭皮から乾かしていくようにしましょう。毛先は乾きやすく、ドライヤーが当たり過ぎた場合は簡単にパサついて静電気なども生じやすくなってしまいます。
2.食生活を整える(脂っこいものや辛いものを摂り過ぎない)
脂っこいものや辛いものを摂り過ぎると、皮脂分泌が盛んになると言われています。インスタント食品やファストフード、ジャンクフードなども当然髪の成長に良くありません。栄養バランスに配慮した食生活をしていくと、皮脂分泌の正常化もさることながら、LDL(悪玉コレステロール)が減って血流がスムーズになっていきます。
血流が改善されるということは、末端の毛細血管にまで血液が行き渡りやすくなり、頭皮環境においては髪の成長に必要な栄養素が毛根に届きやすくなっていきます。「自分で作るのって面倒だから…」の繰り返しが、少しずつ頭皮環境の悪化として積みあがっていくケースがありますので、これを機に食生活を見直してみるのはいかがでしょうか。
髪の三大栄養素は?
髪に良いとされる髪の三大栄養素は、「タンパク質」と「ビタミン」と「ミネラル(亜鉛)」です。簡単に代表的な食材をご紹介しておきますので、特に髪を中心にケアしたい場合は参考になさってください。
髪に良い意識したい食材
- 動物性タンパク質:肉、魚、卵、乳製品など
- 植物性タンパク質:大豆や納豆、豆腐など
- ビタミンB群:玄米、豚肉、レバー、うなぎなど
- ビオチン:卵、ナッツなど
- ビタミンE:魚、アーモンド、落花生、大豆など
- ビタミンA:ほうれん草、にんじん、焼き鳥レバー、かぼちゃなど
- ミネラル(亜鉛):生ガキ、チーズ、豚レバー、たらこ、海苔など
3.運動習慣を取り入れる(血流や代謝を改善する)
学生時代のクラブ活動や定期的に実施されていた校内マラソンなどを思い返すと、淡い苦しさの中にも「爽やかな汗」がイメージされます。社会に出て仕事をするようになると…あるいは結婚して子育てや家事に従事するようになると、「健康的に汗をかく」という習慣から遠のいてしまうのが一般的です。このような運動不足は、生活習慣のあり方にもよりますが、少なからず「血流の滞り」や「新陳代謝の低下」をもたらします。
お肌のターンオーバー機能が衰えると、皮脂の分泌作用にも影響が及び、頭皮がべたつきやすくなったり、逆に皮脂不足や乾燥がもたらされることもあります。過度な運動までは必要ありませんが、家やオフィスにいる時間が長くあまり歩いていない場合は、たとえばウォーキングをしてみるなど、身体を動かす機会をお取り入れください。
どのような場合も、「留まり続けること」は「滞り」をもたらします。無理のない範囲で「適度な運動習慣」をこなすことが健康美のベースになっていきます。
ボリューム低下や抜け毛が顕著な場合は、専門的な対策を!
女性の場合、男性のような明確な薄毛は起こりにくいですが、やはり年齢を重ねると女性ホルモンの分泌量が低下するため、どうしても「髪の全体的なボリュームダウン」が意識されていきます。この症状が顕著になってくると、「ルードウィッグ型」や「クリスマスツリー型」と言われるように、頭頂部や分け目部分を中心として地肌が透けてくるようなケースも少なくありません。
若い女性の場合にも、ストレスや寝不足、無理なダイエットなどでホルモンバランスが乱れると一時的に抜け毛が増えたりボリューム低下が顕著になるケースもあります。
お気軽に「無料カウンセリング」へ
当院は薄毛お悩み専門のクリニックとなっているため、男性特有の「男性型脱毛症(AGA)」だけでなく、女性に起こりやすい「女性男性型脱毛症(FAGA)」や「びまん性脱毛症」にも対応しています。女性向けの薄毛治療としては、ミノキシジルを中心としたオーダーメイド処方薬のご提供になっています。
もちろんこれは、専門医による生活習慣の改善アドバイスなどを含めたものです。また、最先端治療の「メソセラピー」を併せていただくことも可能です。随時、「無料カウンセリング」をじっししていますので、お気軽にご相談ください。